同じ広告費なのに、問い合わせが2倍変わった話

同じ広告費なのに、問い合わせが2倍変わった話

マーケティング

広告の成果が出ないのは、媒体のせいか、LPのせいか

「広告を出しても、問い合わせが増えない」。そんなご相談を、よくいただきます。

厄介なのは、原因の切り分けです。悪いのは媒体(Google広告やMeta広告)でしょうか。それとも、広告の先にあるLP(ランディングページ。広告専用に作る1枚の縦長ページ)でしょうか。ここが曖昧なまま広告費だけを積み増しても、同じ結果が繰り返されるだけです。

私たちFluxxが担当した、ある樹木葬(お墓)の案件で、この問いに答えが出るテストを行いました。

広告の成果とLPの成果は、見るべき場所が違います

本題の前に、ひとつだけ認識を揃えさせてください。広告とLPは、担う仕事がそもそも別物だということです。

広告の役目は、見つけてもらい、クリックしてもらうまで。LPの役目は、クリックした人を、問い合わせや資料請求まで進めること。仕事が違えば、見るべき指標も違います。広告ならクリック率。LPなら、クリックした人が問い合わせに至る確率です。

広告とLPは担う仕事が違う。広告の役目はクリックしてもらうまでで指標はクリック率、LPの役目は問い合わせまで進んでもらうことで指標は問い合わせ率

この2つをまとめて「広告の成果」として見てしまうと、原因を取り違えます。クリック率が高くても、LPで離脱されれば問い合わせは増えません。クリック率が多少低くても、LPに説得力があれば問い合わせは積み上がります。

今回検証した仮説。「情緒は、情報に勝てるか」

対象は、都内にある樹木葬庭苑です。

樹木葬は、商材としては不動産に近い性質を持っています。金額が大きく、検討期間が長く、その場ですぐには決まりません。何度も見比べ、家族と相談し、時間をかけて決める買い物です。

だとすれば、情報を網羅して比較で勝とうとするより、「ここで眠りたい」と思える魅力を情緒で伝えるほうが、心を動かせるのではないか。それが今回の仮説でした。

実施したテストの中身

実施したのは、いわゆるA/Bテストです。2種類のページを同じ予算・同じタイミングで配信し、ユーザーを機械的にどちらかへ振り分けて、成果を比べる手法です。今回は、情報をきちんと網羅して伝える型の現行LPと、情緒的な訴求に作り替えた新LPを用意し、Google広告とMeta広告のそれぞれで同時に配信しました。期間は2026年5月中旬から6月末までです。

実施したA/Bテストの構造。Google広告とMeta広告のそれぞれで、現行LP(情報網羅型)と新LP(情緒訴求型)に同じ予算・同じ期間で同時配信し、訪問者を機械的に半分ずつ振り分けて比較

新LPで変えたのは、情緒的なキャッチコピー。落ち着いた高級感のある配色。高い順に並べ直した価格表。見学への誘導の強調。前面に出した監修デザイナー。派手な機能追加ではなく、世界観と信頼感を積み増しただけです。

変えたのはLPだけ。媒体・予算・時期の条件は揃えてあります。仮説が正しければ、どちらの媒体でも同じ方向に数字が動くはず。そういう読みでした。

結果、Metaでは問い合わせが2倍に

結果は、媒体によってはっきり分かれました。

Google広告では、クリックは十分に集まっていました。広告は広告の仕事をしていたということです。それでも、現行LPと新LPの間で、問い合わせの数字はほとんど動きませんでした。

一方のMeta広告では、同額の広告費で、新LPの問い合わせが現行LPの2倍になりました。獲得単価(問い合わせ1件を得るのにかかった広告費)は、およそ半分。統計的に新LPが上回っている確率は93.2%。一般に90%を超えると、偶然とは考えにくいとされる水準です。

Meta広告での結果。同額の広告費で、新LPは問い合わせ数が現行LPの2倍、獲得単価は約半分に

情緒の仮説は、当たっていました。ただし、Metaでだけ。

もし悪いのがLPなら、GoogleでもMetaでも同じ方向に差が出たはずです。もし悪いのが媒体なら、LPを差し替えても数字は動かなかったはずです。実際に起きたのは、そのどちらでもありません。同じ2枚のLPが、媒体によってまったく違う結果を出したのです。

なぜ、GoogleとMetaで効き方が違ったのか

もともと媒体差を狙って設計したテストではないので、ここからは結果を見ての解釈です。理由は、媒体の性質そのものにあると考えています。

検索広告のGoogleは、すでに「樹木葬」を探している人の前に各社が並び、選ばれるのを待つ場所です。探している人は、条件を見比べています。Metaは、まだ樹木葬を探してすらいない人に、こちらから見つけてもらう場所です。比較の土俵に乗る前の人に届くからこそ、情緒で伝えた魅力が、そのまま第一印象になります。

つまり、悪かったのは媒体でも、LPでもありませんでした。成果を決めていたのは、媒体とLPの組み合わせです。気持ちで決まる商材を、気持ちが伝わるLPで、まだ探していない人に届ける。この掛け算が揃ったとき、数字が動きました。

ちなみに、読了率そのものは新旧でほとんど差がありませんでした。どちらのLPも、いちばん読まれているのは価格の部分です。新LPは、価格表を見たあとの離脱率がわずかに高いのですが、これは条件が合わない方が早い段階で離れ、納得したうえで問い合わせる方が増えたためだと見ています。離脱が増えたページのほうが、成果は上がっているのです。

ひとつ、留保もあります。今回のテストで評価したのは、あくまで問い合わせが入るまでです。見学のあとの契約率まで見れば、自分から探しに来ているぶん、Google経由のほうが強い可能性も残ります。最終的な費用対効果は、契約のデータまで追って見極める予定です。

広告費は、組み合わせ次第で数倍変わる

お伝えしたいのは、広告費の額の話ではありません。媒体とLPと商材の組み合わせで、同じ広告費でも成果が数倍単位で変わる、ということです。

媒体だけを見ても、LPだけを見ても、この差には気づけません。裏を返せば、広告費を1円も増やさずに問い合わせを倍にできる余地が、まだ眠っているのかもしれません。

だからこそ私たちFluxxでは、何を成果とするか(KPI=目標指標)を決める段階から、広告の配信、LPの制作・改善までを一貫して担当しています。正直なところ、どこかひとつだけを切り出して改善しても、伸びしろは限られてしまう。それが実感です。

LPの改善に、完成というゴールはありません。今回の樹木葬庭苑でも、次はGoogle向けの訴求を見直すテストを予定しています。

もし「広告を出しているのに、問い合わせが増えない」と感じておられたら、いまお使いの広告とLPの数字を拝見するところから、一緒に始めさせてください。貴社にとってのベストな組み合わせを、探求していければ幸いです。

Fluxx Growth Partner

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Author

中村 大睦

中村 大睦

Marketer

株式会社メディロムにて店舗運営から広報マーケティングまで幅広く従事。その後、ヘルステック企業にてオンライン診療事業のマーケティングを主導し、広告運用・LP改善・メディア連携を軸に集客基盤を構築。並行して大型スタートアップカンファレンスの集客・Web戦略にも携わる。

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